「まあ、ありがとう皆」
「おまけし過ぎだろ……流石田舎……」
野菜が入った木箱を床に置き、ジョブスは深々と疲れを表す溜息を吐く。一方カイルとロニは夕食が楽しみなのか全く疲れた様子は無い、それどころか買い物に出発する前より元気だった。
「若いねェ……総帥にあのはしゃぎっぷりを見せてたやりたいよ」
「エミリオは寧ろはしゃがれる側よね」
「俺も女の子にはしゃがれたいねェ」
「仕事先で口説くの止めたら希望はあるんじゃないかしら」
何故知っていると一瞬思うジョブスだが、その理由は深く考えずとも分かった。間違いなく、今ゆったりとソファーに座り本を読んでいる男が情報源だろう。
だがそれは身から出た錆とも言えなくもない、故に追求せず彼はただただ笑った。
「さて、久しぶりに沢山作るわよ。カイルー、ロニー、ちょっと手伝ってー」
「はーい!」
「お任せください!」
本当に元気だなと、時の流れを感じながら彼はそう思う。