「うわ、結構多い……ってか、関係無いヤツもないか?」
「男の子って沢山食べるでしょう? それにまとめて買うとオジサンがおまけしてくれるのよ」
「ああ……なるほど……」
「男手は、使える時に使わなきゃね」
結婚して更に発言に力がついてきた女性には頷く事しか出来ない彼は、そんな事も知らずとにかく楽しそうな2人を玄関に行かせた。
「じゃあ行ってきますよ、ちょっと時間掛かるかも……」
「ふふっ、お願いしまいすね」
「へいへい……」
既婚者とはいえ女性の屈託の無い笑顔を向けられてしまっては敵わないと、少し疲れた様に笑いながら出ていく。
そして残ったのはエミリオとリリス。数分の沈黙の後、リリスは先程とは違う雰囲気を纏う隻眼の彼に訊いた。
「貴方ならとっくに気付いているわよね? あの子……」
「本人が隠したいなら触れるべきではないだろう。飽くまで利害が一致しただけの関係だ、不必要に間を詰める必要は無い」
「そう……でも心配ね、貴方女の子の扱い上手じゃないから」