「ったくリリスさんにあんな態度を取るなんざ分かってねェ……、いや、まさか、分かっていてあの態度なのか? ……何故、今まで気付かなかったんだ……アイツがムッツリだって可能性もあった……!」
百面相とまではいかないが自問自答しているこの男に、冷ややかな少年の眼は向けられた。
「何時も以上に変だ……」
「理解出来んな、リリスの何が良いんだか……」
「俺は守ってあげたい系の女の子がいいなァ。リアラちゃんパッと見はそれっぽいんだけど、中身はちょっと違うかな」
「え、そう?」
ジョブスの考えがイマイチ理解出来なかったカイルが首を傾げれば、最年長は何故か不適な笑みを浮かべる。そして早くもエミリオは尽きない溜息を溢していた。
「確かに見た目はさ、線が細くてフワフワしてて守ってあげなきゃって思う所だが……話してみれば強い使命感があるじゃないか。しかもそれはちょっとやそっとじゃ揺れ動きそうにない、かつ不定形でまだ形が成されていない不安定なモノ……リアラちゃんはそれを、強い意思のしたで形にしようとしている。下手に手を出すと逆に迷惑になるというか、返り討ちにあうというか……」
「返り討ち……?」
「……子供に生々しい話をするな」