エミリオの言葉に頷くリリス。そしてカイルは、父に似ていると言われた事が余程嬉しかったのか照れ臭そうにしていた。
すかさずロニは軽く肘で彼をつつく。
「カイルぅ、お前なにニヤニヤしてんだよ」
「え、いやぁ、なんか自然とこうなっちゃうっていうかさぁ」
「ったく、単純な奴だな」
「えへへ」
何時も通りの雰囲気、何時も通りの会話。そう、何時も通りだった。
その中でユダがリリスに声を掛ける。
「静かな場所を貸してくれ、うるさくて敵わん」
「お前も相変わらずだな……」
「ふん……」
ロニの溜息に対して合わせていなかった顔を背ける事でユダは何時もと変わらない彼を手中した。
それを軽く笑ってからリリスは了承する。
「じゃあ、使ってない部屋があるからそこで休んで、掃除はちゃんとしてるから綺麗よ」
「……ん」
腰を上げた青年は自分の荷物を持ち、リリスに案内されその場を去った。
それを見送り、1分程経ってからロニは肩を竦める。