「リリスさんの手料理が食べられるなんて、感無量です……!」
「あら、サンドイッチくらいで大袈裟な」
「いいえっ、コレに何時でもありつける旦那さんが羨ましいですよ……!」
「もう、誉めたって何も出ないわよ?」
満更でもないらしいリリスは微笑み、更にロニを興奮させる。
そんな彼はさておきサンドイッチを食べながらカイルは叔母に質問をした。
「そういえば、リリスさんはどうしてバッカスさんと結婚したの?」
「あら、カイルもそういう事が気になる年頃なのね。んー、そうね……何だろう……流れ、かな?」
「流れ?」
思っていたのとは違う答えだったらしくカイルは首を傾げその意味を問う。
エミリオは密かに溜息を吐いていた。
「私ね、自分は結婚しないだろうなぁって思ってたのよ。都会に行きたいわけでもなければ、それこそ兄さんみたいに旅がしたいわけじゃない、ずっと村に居て、ゆっくり過ごして、おばあちゃんになっていくんだろうなって、そんな風に考えてたの」