これからの行動方針についてはエミリオとジョブスが既に考えているだろう。今最優先すべきは身体を休ませる事、そんな話題は振るべきではない。
普段の自分は何をしていると考えていると、不意にジョブスがロニに話し掛けた。
「ロニ君はさァ、ナンパしにはいかないの?」
「あー……」
普段している事、答えは他人から出る。しかし彼も流石に空気を読むと思いきや、カイルを呆れさせる返答をした、自信ありげに腕を組ながら。
「ジョブスさん、俺は女性だったら誰彼所構わずナンパするわけじゃありません。この村はスタンさんの故郷、素晴らしい女性が多いでしょう……しかしっ、俺にとってリリスさんは絶対無二! 他の女性には悪いですがリリスさんが一番! 即ち!」
早くもカイルは溜息を溢し、エミリオはジョブスを睨み、ジョブスは視線を逸らし、ユダは欠伸を噛み殺す。
「他の女性は眼中に無いのです! ナンパの必要はありません!」
「女の敵……」