感慨深く、そして不思議そうに少年は言う。きっとそれ以上は無い、素直に凄いと思っている。
だがエミリオと、荷物を降ろすロニは違う、表には出さないが。恐らくユダも同じだろう。
「確かに凄かったな……皆助かったからいいけどよ」
「うん、やっぱりリアラは凄いよ。俺も、英雄だって認められる様に頑張らないとなァ」
「あら、カイルは英雄を諦めてないのね?」
ジョブスと共に戻って来たリリスに対し、カイルは大きく胸を反らし答えた。
「うんっ、今はリアラに認めてもらえる様に頑張るんだ!」
「フフッ、カイルは変わらず前向きね。事情はジョブスさんから大体聞いたわ、ちょっと手狭かもしれないけどゆっくりしていって」
「ありがとう! リリスさん! あ、リリスさんはユダに会うのは初めてだよね? 凄く強い人なんだ!」
笑顔のカイルはソファーに足を組み座るユダの傍に立ち紹介する。それを受けたリリスは青年に笑顔を向けた。