「そう! リリスさんは強くて美しい! しかも料理上手で他の家事も完璧で、才色兼備、良妻賢母! ルーティさんも素晴らしいが、リリスさんも素晴らしい!」
「お前よく神団騎士になれたな」
「ルーティさんへの愛が成せる技ですよ!」
「……そのルーティの弟である私に向かって言い切るお前が心底羨ましいよ」
ついでにルーティの息子であるカイルの眼は生温い。
ロニによるリリスへの尊敬の様な敬愛の様な話はその後も続いたが、今まで沈黙を守っていたユダの質問がそれを終わらせた。
「リリスというのは、何者だ」
「あ、そっかユダは知らないよね」
誰よりも早くカイルは答えた。
「リリスさんは父さんの妹で、リーネに住んでるんだ。母さんにマーボーカレーと必殺技の死者の目覚めを教えた人だよ。あんまり会った事ないけど、凄く優しい人なんだ」
「死者の目覚め……?」
「寝坊助を起こす必殺技さ!」
「ああ、なるほどな」
あっさりとユダは納得する。