カイルはユダを見た、彼は頷いている。そのたった1つの動作で理解した少年は警戒を続ける2人を呼んだ。
「ロニ! ジョブスさん! 俺達エミリオさんの所に行ってくる!」
「おうっ、任せたぜ!」
「無茶して転ぶなよ!」
「はい!」
駆け出すユダを追いカイルとリアラは船底へ向かう。上へ上へ逃げようとする流れに逆らう上に時折揺れる為少々時間が掛かったが、無事3人は船底に到着した。
そこは海水が入って来ており、その中から飛び出してくるモンスターをエミリオと船員が片っ端から片付けていた。
「エミリオさん!」
「カイル!? 上はどうなった!」
牙を剥き出しにし飛んできた魚を真っ二つにしエミリオが問うと、剣を抜いたカイルは伸びてきた触手を斬り防ぎ答える。
「上は片付きました! でもここは……!」
「ああ、本体に、やられた! 片付けはしたが海水と共にモンスターが入って来る!」
「ボートで脱出は!?」
「背の低いボートではコイツ等の餌食になるだけだ!」