「合コンの手配くらいはしてやる」
「上から目線なのに凄い嬉しいから悔しい」
年下の男に歯を食い縛る男。もしも此処に彼の親友が居たら、情けないと溜息を溢すだろう。
そんな想像がすぐに出来る程に彼等とは付き合いが深いのだとエミリオが改めて自覚していると、ベッドの方から何やらうなされている様なカイルの声がした。
嫌な予感がし2人がランプを持って近寄ると、普段ならば夜中に起きるなんて事は無い彼が気だるそうに上半身を起こす。
「カイル……どうした」
「エミリオさん……、うーん……何か、嫌な夢、見た気がして……」
「それは……珍しい、な」
首を傾げるカイルは、特に顔色が悪いというわけでもなく、声色も普段と変わらない。寧ろエミリオの方が内心動揺していた、ジョブスも同じだろう。
しかしそれを表には出さず、微笑を浮かべ彼は甥の頭を撫でた。
「今日は色々あったからな、疲れたんだろう……何か飲むか?」
「んー……大丈夫、これくらい平気ならないと旅は出来ないしね」