ジョブスは控え目の声で彼を迎える。
「あ、おかえりなさい。食器引き取りに来てましたよ」
「ん……カイルとリアラは寝たのか」
ベッドが2つ使われている形跡があり、暗い為よく見えないがグッスリ眠っている様子のそれは少年少女で間違いないだろう。その証明にジョブスが頷いている。
エミリオは椅子に座り、テーブルに肘をつく。
「ユダは」
「シャワー浴びてくるって言ってましたよ。総帥も早く休んでくださいよ? 無茶すんなって言っても無駄なんだから、暇な時くらい大人しくしといてください、ってつくづく思いますね。普通だったらダリルシェイドにとんぼ返りだってのに……フィリア女史も同じ考えだったろうなァ」
「ああ、意を汲んでくれて感謝している。つくづく私は、周りの人間に恵まれているな」
「開き直りっつーんですよ、まったく……ボーナス期待しますよ?」
まるで子供の様に笑う軍人に失笑混じりの溜息を吐き、軽くエミリオは頷く。