「俺、エミリオさんみたいにカッコよくお酒飲んでみたいなァ」
「うんうん気持ちよく分かる。な、ユダ君」
「……どうでもいいだろ」
「イケメンの余裕を見たぞ今……!」
ロニの様な事を言っているジョブスに、反射的にエミリオが溜息を吐く。
そこへ予想より早く少し髪が濡れているリアラが戻ってくると、真っ先に反応したカイルが彼女に駆け寄った。
「リアラ、あ、あのさっ」
「ん……どう、したの……?」
何時になく真剣な表情の彼にリアラは緊張し、周りは邪魔しない様にあまり注目はせずに見守る。
「えっと……ゴメン、さっきはなんか、失礼な事言ってさ……その、似合うと思うのは本当だからさ」
「……う、うん……あり、がとう……?」
謝罪に対しどう反応したらいいのか迷っているらしいリアラだが、表情は弛んでいた。恐らくそれは、嬉しいという感情の表れで間違いないだろう。
「あの、あんまり気にしないで……その言葉は、嬉しいから」
弛んだ表情は笑顔になった。少年は思わずそれを見つめる。