「うん、リアラちゃんねこにん似合うと思う。一着くらい持ち合わせてないんですか?」
「嵩張るだろうが」
「いいや甘いなァ、トップとして各地で売り込むくらいの意気込みがなきゃねェ」
軍人が何を語っているのかと思えば全く腹が立たないが、そのしたり顔を見るとやはり腹は立つ。
そして視界の隅で、ユダが潰れたロニの襟首を掴みベッドに放り投げていた。ロニには悪いがコレで大分静かになると、エミリオは腹立たしさをしまいワインを飲む。
カイルはリアラの顔を見つめ、リアラはさんなカイルに戸惑っていた。
「な、何……?」
「ジョブスさんの言う通り、似合うかもって思ってさ」
「そう、かな……」
「うんっ、可愛いと思う」
偽りなんぞ微塵にも感じさせない真っ直ぐな言葉にリアラは動揺する。しかし、それはすぐに終わった。
「ウチの女子達も似合ってたし、リアラもきっと似合うよ」
「…………」
悪気が無いから厄介なのだと大人は思う。