素っ気ないエミリオだが、その甥っ子が話に入って来た。
「そうそう、この間エミリオさんが試作品だってくれたアクアヴェイルデザインのねこにんスーツさ、滅茶苦茶チビ達にうけてるよ」
「ねこにんスーツ……?」
初めて聞く名称なのかリアラが呟くと、カイルが説明をする。
「オベロン社が出してる服だよ。ねこにんっていう、猫っぽい人になりきるんだ」
「ねこ、にん……? え、それって、楽しいの……?」
「色々種類があってさ、着心地も良いから人気があるんだって。最近はうさにんスーツもあるよ」
「うさ……」
リアラに視線を向けられたエミリオは、それに込められたすぐにモノに気付き否定した。
「私のアイデアじゃないぞ」
「ですよね……」
否定を聞いて少し安心した様子の彼女はパンをかじる。しかし視線を感じ顔を上げると、ジョブスと眼が合った。
彼は何やら値踏みするかの様な眼でリアラを見ていたかと思えば、突然不適な笑みを見せる。