そして青年は立ち上がり、少年も続いた。
「あのレンズと女の子に関しては俺も気になるからな、さっさとこんな所オサラバしようぜ」
「うんっ、……あ、でも俺達母さんに黙って出て来ちゃったよね? 母さん怒ってないかな……」
「あー……そうなると旅なんて許可してくれなくなるかもな……よし、1秒でも早く帰るぞっ」
「うんっ、で、どうやって出よう!?」
少年のその言葉をキッカケに、室内に静寂が降りる。
2人は同時にドアを見て、腕を組み、首を捻った。
「どうすっかな……さっきあれだけ怒鳴って反応無かった所を見ると多分ドアの近くには見張り居ないだろうが、騒がしくするのは御法度だ、また捕まるのが眼に見えてる」
「じゃあドア壊すのはダメだね……鍵だけ壊すとかは、難しいし……」
悩む2人、しかしその時間は短かった。
『僕に気付かないのなら、当分牢破りは無理そうだな』
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bkm
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