11
 再びユダは部屋を出ていく。カイルは追おうとしたが、エミリオが止めた。


「1人にさせておけ、ああいう手合いは不必要に踏み入ると更に拒絶されるだけだ」

「……ごめんなさい」


 今受けた忠告と真逆の事をしたのだと反省した少年は項垂れる。

 エミリオは彼の言動に悪意は無いのを知っている。だからこそ危ういだという事もよく知っているから、その謝罪を受け取らなかった。


「謝るならばユダにしろ、私は迷惑を被った覚えは無い」

「うん……」


 何処か割り切れていないのか、カイルは顔を上げたが表情は優れない。ロニとリアラが宥めると少し笑顔になった。

 良くなった雰囲気の中でジョブスが少年に訊く。


「あのさカイル、何でユダが総帥に似てると思ったんだ?」

「え? んー……と……あ、笑った雰囲気が似てるんだっ」


 予想に無かった返答に大人2人とリアラは驚くが、ロニだけは首を傾げ疑問を口にした。


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bkm

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