月並みとも言えるカイルの言葉をロニが笑う。
「甘いぜカイル……ユダはな、中身はともかく見た目は正に美青年だろ? 恋人が居てもおかしくないだろ?」
「確かにカッコイイけど……」
「ああ、もしかしたら今現在恋人が……ハッ、まさかアタモニ神団に恋人が居て、その為にアイツは……!」
「……ロニって逞しいよね、色んな意味で……って……」
すっかり自分の世界に入ってしまった彼の後ろに、何時の間にかユダが居た。心底迷惑そうな眼を想像力の逞しい男に向けている。
「くっそ、男としては俺の方が圧倒的に上な筈……」
「上でも下でも構わんが、他人で妄想するのは止めろ」
「おわっ!?」
声を掛けられやっと気付いたロニは仰け反り後ろを向いた。そして流石に申し訳ないと思ったのか苦笑いで誤魔化す。
しかしそれを無駄にするのがカイル。
「ユダってさ、恋人とか居るの?」
「お前……!」
怖いもの知らずと言うべきなのか。慌てるロニだが当然もう遅い。