呆れながら向かい側に腰を降ろし、地図を見て小さな声で呟く。


「安全の為に遠回りをするか、時間短縮の為に危険に身を晒すか……」


 対してジョブスも声を潜め返した。


「海上だったら圧倒的に前者でしょう、こんな所で漂流とか洒落になりませんもん。海竜でしたっけ、ああいうのなら後者でも大丈夫なんでしょうけど」

「動力がレンズ故に封印状態だからな……アレは海中使用のせいか飛行竜の様に別のエネルギーに代える事も出来ん。それに海底には外郭の残骸に埋もれたベルクラントがある。内部のシステムやレンズは処分したとはいえ、元は超弩級の破砕兵器、悪用を考える奴が出ないとも限らん」

「何年も掛かりましたもんねェ、海竜で行ったり来たり……逆に海竜でもなきゃ侵入不可能ってわけですけどね」


 過去の苦労を労うジョブス、その表情は軽い口調に似合わない真剣なモノ。眼は此処には無い何かを睨み付けていた。


「ただ、聖女は別ってね……」

「……努力を無駄にされるのは我慢ならないな」


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bkm

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