頭を抱える青年、しかし少年の眼は冷たい。
「ロニさ……まさか、フィリアさんに会いたくて神団騎士になったとかじゃないよね……」
「ギクッ」
「……スカート捲りをいまだ武勇伝にしてる時点で分かる事だったね」
「カ……カイルにしては頭を使ったな……だが、ネルソンとジョーも同じで……」
渇いた笑いで腕を組むが、少年からの言葉はやはり冷たい。
「ネルソンさん子供産まれるし、ジョーさん真面目に働いてるよ」
完全に論破された青年は、背中を向け三角座りでいじけ始めた。その背中を少年は撫で慰める。
「ロニが孤児院の事真剣に考えてるのは知ってるから……ネルソンさんもジョーさんもロニの事凄いって言ってるよ」
「カイル……」
「だからさ、あまり女の人を追いかけるのは……」
「それは無理だ」
眼に力がある真剣な顔、今度は少年が溜息を吐く。だがそれが彼にとっての普通なのかすぐ互いに笑みを溢す。
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bkm
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