何処に居るか探すまでもなかった。
「潮風に揺れるブロンド、それはまるで砂漠の中のオアシスの様だ。このロニ・デュナミスの枯れた心が、潤いに満たされていく!」
歳上の女性に声を掛けている、つまりナンパをしている。女性の方は困った様に笑っているが彼は止まらない。
「何をやっているんだあの馬鹿は……」
「スカート捲り卒業したかと思えば、アレだもんなァ……」
「ス、スカート捲り……!?」
リアラが思わずスカートを押さえると、カイルが笑いながら首を横に振った。
「大丈夫だよ、流石に今はやってないからさ。代わりに、アレだけどね……」
「そう、なの……カイルはそういう、えっと……何て言うのかな……女の人に、んー……ちょっかい? 出したりしないの?」
「え!? 俺はやらないよ! そんな事をしたら英雄じゃないし!」
「ふーん……まあ、カイルはどちらかと言えば、何か……子犬っぽいから、無害って感じがする」
それはどういう意図での言葉なのか。言われた本人が納得しているのなら気にするべきではないのだろうが。