「ありがとうございます」
渡されたそれを肩に掛けると、ふとカイルが彼女に質問をした。
「そういえばリアラって、旅をする格好には見えないね」
「そ、そう?」
その動揺には気付かずカイルは続ける。
「武器とか道具とか持ってないみたいだし……着てるのヒラヒラだしさ」
「えー……っと……その……」
返す言葉に迷うリアラ、それを助けたのは純粋な疑問を持った少年の頭を叩くロニだった。彼は何やら、えらく憤慨している。
「お前な、女の子にそういう質問は失礼だぞ」
「え、そうなの!?」
「お子ちゃまだねェ、女心を考えるにはまだまだ人生経験が足りねェな」
今度はしたり顔の青年。それを向けられた相手は少し反抗心を覚えた。
「そう言うロニは、人生経験足りてるのかよ」
「当ったり前だっての」
間髪入れずに返された言葉には絶大な自信が見える。
「今まで何人にフラれてきたと思ってんだ。少なくともクレスタの女性陣には全員フラれ済みだ!」