その間にユダがオベロナミンを飲んでいた、それも一気に瓶を空にしていた。
「なるほど、悪くないな」
「ユダも飲んだ事無かったの?」
「機会が無ければ必要も無いからな」
「そうなんだ……これからはどんどん飲んでね!」
笑顔で勧める甥に一瞬姉の顔が重なり、またエミリオは複雑な気分になりながら薬品の確認を続ける。
その最中、オベロナミンを凝視しているリアラに気付いた。
「……飲んでみたらどうだ」
「い、いいんですか?」
「そこまでケチではないからな、……何処かの女とは違って」
「……? ありがとう、ございます」
遠い眼をする彼に首を傾げながらリアラは瓶を開け、オベロナミンを飲んでみた。最初は一口だけだったが、すぐに再度瓶に口を付け空にする。
「美味しいです……ちょっとシュワっとしてて」
「そうか……なら良いが」
立場上消費者の声を直接聞く機会が少ない彼は表情には出さないが安心した。それからリアラに必要な物を入れた肩掛けの道具入れを渡す。