少年は笑顔を見せるが、すぐに眉を潜める。


「でも、神団騎士はどうするの? ロニ、沢山苦労して神団に入ったのに……」


 それに対して青年は声を潜めた。


「まあな、孤児院の助けになれりゃと思っていたが……どうにも理想と現実は違ったみたいでな。何をするにもレンズレンズレンズ……今じゃ神団のシンボルは奇跡を体現するエルレインだ。英雄フィリア・フィリスが中心だった頃はそんなんじゃなかったらしいが……」

「よく知らないけど、確かエルレインって凄い人なんだよね? うーん……でもロニの話だと、俺はフィリアさんの方が良いなァ」


 釣られて小声で話す少年の言葉に青年は満足気に頷いた。


「だろ? それに、フィリアさんの方がエルレインより何倍も美しい……! 野に咲く美しく可憐で、そして力強い花……誰にでも低姿勢な奥ゆかしさ……豊富な知識から導き出される言葉……。昔孤児院来た事があったみたいだが、何故覚えていないんだ俺は……!」


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bkm

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