木箱の中には要望通り様々な薬品や携帯食等が入っていた。
「エミリオさん、ホーリィボトル沢山撒けばモンスター寄って来ないんじゃないかな?」
「残念だが、ホーリィボトルは能力が低めのモンスターにしか効果は無い、数を重ねても同じだ。海のモンスターはその環境上、能力が総じて高い」
「そっかー……あ、オベロナミンだ」
小さめの瓶を手にしたカイルにリアラが訊いた。
「それは……何?」
「知らないの? エミリオさんの会社で作ってる栄養ドリンク! 美味しいから俺好きなんだー」
「そういえばオベロナミンって、元は軍人向けの強壮剤なんでしたっけ?」
ロニの質問にエミリオは頷き答える。
「ああ、昔は軍に卸していた。時々レンズ取引でのオマケで出していたな。それをルーティのアドバイスを受けて、フィリアが一般向けに改ぞ……改良してみたら、見事にヒットしてくれたんだが」
「流石姉弟というわけだな」
純粋無垢な眼で何度も頷くグリッドにエミリオとジョブスは少し申し訳なくなった。