14
 重く厳しい言葉にカイルから明るさが消えた。そして真剣に受け止めたのか、大きく頷く。

 しかし、そう言わざる得ない状況になった一因は己にあるとエミリオは溜息を交え続けた。


「社の船が使えればいいんだが、カルバレイスの流行り病や他の件で出払っているからな……もう少し船員育成に気を配れば良かったな」

「いいじゃないですか、お堅い船より女子が乗ってる船の方が楽しみが増えるってもんですよ。そこの青年、君にはそれが分かるかい!」


 ジョブスが指差したのは、ロニ。その反応は言うまでもない。


「勿論ですとも! 一人旅の女性、その逞しくも憂いが見え隠れした後ろ姿……何が貴女を旅へ誘うのか……このロニ・デュナミスを、貴女の一生のお供に……ってアレ?」


 気付けば皆、その場から離れ運ばれた薬品等を確認していた。話を振ったジョブスもその中に居る。

 我に返ったロニは、ふとユダと眼が合い、鼻で笑われた。


「……チクショウ」


 自業自得の疎外感を感じながら彼は皆に近付く。


prev next

bkm

[back]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -