12
 そこへロニが、彼に正論をぶつけた。


「あのな、どっか行くなら一声掛けるのが基本だろ」

「一声掛けずに捕まった奴に言われたくは無いな」

「う……」


 痛い所を突かれロニは押し黙る。

 ユダは溜息を吐いたのだが、意外にも皆から離れた理由を話し始めた。


「町を見て回っていたんだ……持ち物を揃えたり、“面白そうな話”がないか調べたりな。だがハズレだな、出てくるのは“エルレインの話”ばかりだ……“それ以外”の話なんて出てきやしない」

「……! お前……」


 何かに気付いたロニだったが、何も言わない。カイルとリアラは気付いていないのか心配そうに2人を見ている。

 その沈黙を短く終わらせたのはエミリオ。


「神団の町だ、聖女の話で持ちきりなのは当然だろう。……無断で勝手な事はするな、集団行動での最低限のルールだ」

「そうか、なら今度からは一声掛けてからにしよう……総帥サマに迷惑は掛けられんからな」

「…………」


 不適な青年からエミリオは視線を逸らす。


prev next

bkm

[back]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -