とりあえず今は待つだけだと、近くの露店を見学しているカイルとリアラを2人で見守っているとグリッドが戻って来た。手には3本の剣があり、早速ジョブスは受け取り先ず両刃剣を鞘から抜く。
正に研ぎ澄まされたその刃に彼は眼を奪われた。
「おー……なかなかいいじゃん、一生使えそう」
「此方だと剣は基本的に消耗品だからな、アクアヴェイルの職人技術には驚くのも当然。しかし、両刃はともかく片刃を2本という事は、エミリオ殿の得物を探しているのか」
「うん、ちょっと破損して。アレは確か自社製品だったか」
「そうか……だがエミリオ殿には悪いが、鍛冶技術はアクアヴェイルが上と見た。ちなみに値段も上だぞ?」
グリッドが耳打ちで値段を伝えると、ジョブスは思わず唾を飲み込んだ。
「オ、オベロン社に請求書回して……」
「ああ、まいどあり。薬とかは今見繕ってもらってるから、もう少し待っていてくれ」
「はいよ、っと……お、来た来た」
手を振るジョブスに軽く手を上げて応えたのはエミリオ。合流するや否やジョブスは片刃剣を渡した。