アイグレッテの露店区域、その集会所を訪れたジョブスはそこで一人図面を広げたグリッドを見つけ彼を呼ぶ。


「おーい、グリッドさんよー」

「ん、おお、どうした、さっきぶりだな」


 図面を畳み懐に入れ、グリッドはジョブスと共に集会所を出た。そのすぐ近くでカイル達は待っており、ジョブスは事情を説明する。


「実はあの子等と船に乗る事になってさァ、薬とか携帯食とか欲しいわけよ」

「なァるほど、ならこの俺に任せたまえ。良質安価な物を揃えよう」

「さっすが町角の顔。で、ついでに両刃剣1本と、片刃剣2本ばかり欲しいんだよな。何か良いの無い?」


 その要望にグリッドは腕を組み、眼を瞑り考えた。


「ふむ……剣か……ならアクアヴェイルからの輸入品はどうだ? 職人が手掛けた一級品、らしい。ていうか持ってくるからちょっと待っててくれ、得物は自分の眼で見てこそだ」


 何故か不適な笑みを残して彼は去って行く。果たして商売してか、それとも単に“何か”血が騒いでいるのか、暇になったジョブスは考えた。


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bkm

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