曲がっていた背を伸ばし、視線を真っ直ぐ叔父に向けて少年は声を張った。
その様子にリアラが失笑する。
「どうしたの、リアラ」
「その、仲が良いんだなって、家族って素敵だなって思って、つい……」
「家族が仲良しなのは当然の事だよ。そういえば、リアラの家族は?」
「わ、私は……」
言い淀むリアラ、すかさずロニが口を挟む。
「っと、エミリオさん、これからどうするんです?」
「アイグレッテで少し買い物をな……船旅になるから多めに薬や携帯食を持っておかなければ」
「あー……それって、もしかしなくても俺達の……」
「もしかしなくてもその通りだ……金はしっかり持っておけ、今回は私が払ってやる。その分はまたその内返せばいい、だから間違っても返済不可能なんて事態は引き起こすなよ」
流石企業のトップ、そういう所もしっかりしているとロニは改めて感心しながら頷き承諾する。カイルも背筋を伸ばしたまま頷いたが、リアラは困った様子で俯いていた。
「あ、あの私……」
「難しく考えるな、私に利益がある働きをすればいい。それに一度は助けてもらった身だ、それでチャラにしたって構わない」