中では、何故かフィリアによる授業が行われていた。カイルとリアラは真剣に、ユダは興味が無いのか壁際で、そしてロニが前のめりになって聞いているのは気にしない方が良いのだろう。
「いいですか? 晶術というのはレンズから引き出した晶力を具現化する技術の事を言います。そしてレンズという物は人の感情に反応します……なので、高密度のレンズを所持している時に精神バランスを大きく崩すと暴走する危険性があります。
ですが、一般的に軍等に出回っている晶術用レンズは暴走しない様にオベロン社の技術で加工をしてあります。なので、余程の事が無い限りは暴走しません。その変わり、引き出せる晶力は加工前の物よりグンと減ってしまいますが」
「はいっ、フィリアさん質問!」
「はい、何でしょうカイルさん」
手を上げたカイルは大きく首を傾げながら質問をした。
「でも、フィリアさん達が使っていたソーディアンは凄い晶術が使えたんですよね?」
「良い着眼点ですカイルさん。人の手でレンズの力を扱いつつ、レンズの力を最大限に引き出す……その為に付与したのが、ソーディアンの人格です」