素直に頷くリアラは、青年と一方的に話していたカイルに呼ばれエミリオに一礼してから彼等の下に向かう。
エミリオはロニを呼び、眼を合わせない彼に訊いた。
「こういう流れになってしまったが、お前はいいのか?」
「エミリオさんに止められないなら、俺じゃ到底止められないですよあのカイルは……。本当にすみません、何から何まで迷惑を……」
「フッ、迷惑を掛けられているという気分にならないのは身内だからだろうな」
我ながららしくない事を言うと内心嘲笑し、遠慮がちな青年に告げる。
「着いて来いとは言ったが、此方の事情で手一杯でお前達を気に掛ける事が出来ないかもしれない。だから、そちらのフォローは頼む」
「はい、分かりました」
普段の言動とは打って変わりロニは真剣な表情で了承する。
だがそれが、ただ身内を思っているだけでの態度ではないてエミリオは気付いていた。
「自分のフォローも忘れるなよ」
「……分かってます」
何時に無く重い、短い青年の言葉。
彼はすぐに笑顔を見せカイルの傍へ移動した。