24
 ハイデルベルグがあるファンダリアはセインガルドとは陸続き、だがノイシュタットを経由という事は船に乗る必要があり、かなりの遠回りになる。

 早くウッドロウに会いたいであろうリアラは、数秒の熟考の後に頷いた。


「私はそれでも構いません……ウッドロウ王に会えるのなら」

「では決まりだな……ユダ、異論は無いか」

「……べつに何も」


 素っ気なくユダは返すのだが、背けた顔には複雑そうな色が見える。

 それに気付かないカイルは子供の様に――実際子供だが――はしゃぐ。


「ありがとうエミリオさん! ユダもありがとう!」


 ユダに駆け寄り感謝を行動で表す少年。当然相手は迷惑そうに適当にあしらっている。

 その間にリアラがエミリオとフィリアの前に立った。


「あの、何て言ったらいいのか……その……ありがとうございます」

「良いのですよ、リアラさんの探し物が見つかる様に祈っていますわ。何か困った事があったら、リオンさんに相談してくださいね」

「は、はい」


prev next

bkm

[back]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -