そして溜息を吐いたのはエミリオも同じだった。
「根本的な解決になっていない……ユダ、それ以上話をややこしくするならお前にもダリルシェイドに居てもらうぞ」
「フン、僕はそれでもべつに構わんが……その頭がお花畑のガキは大人しくしているのか?」
「…………」
答えないエミリオ、内心では己の無言の意味を知っている。
数十秒の無言の後、再び溜息を吐いて彼は言った。
「分かった、ダリルシェイドに居ろとは言わん」
「本当ですか!?」
「ああ……」
父親似の笑顔、ついエミリオは視線を逸らすが、それでも態度は変えず話を続ける。
「ただし条件として、ユダを含め全員私と行動を共にしろ」
「え、どういう事?」
それではウッドロウ王に会えないのでは、そんな不安を見せたカイルへ理由は語られた。
「私はこれからノイシュタット経由でハイデルベルグへ向かい、ウッドロウに謁見する。遠回りにはなるが、目的は達成出来るだろう」
「……リ、リアラ、どう?」