戸惑うリアラに、問い掛けたユダは厳しい表情のエミリオを見た。
「僕がコイツ等に同行する、それなら構わないだろう」
「……まさかカイルの肩を持つとはな」
低い声色に対し、不適な笑みが返される。
「肩を持っているわけじゃない、そのリアラに興味があるだけだ」
「わ、私……?」
一瞬場の注目がリアラに集まり、そしてすぐにユダへと戻った。
「あの怪我を一瞬で治癒する力……医学をかじっていた身としては興味を抱いて不自然じゃないだろう」
「そ……そう、ですね……」
「べつに取って食おうというわけじゃない、そんな力を持つお前が如何なる理由で行動しているのか知りたいだけだ」
「…………」
不適なそれに対し眼に警戒心を見せるリアラにカイルが明るく言葉を掛ける。
「大丈夫だよリアラ、ユダは悪い人じゃないから。それに強い人だから、一緒に来てくれたら百人力だよ!」
「そう……」
警戒心は消えこそしなかったが、軽くはなった。ただ彼のお人好しっぷりへのロニの溜息は非常に深いが。