痛い所を疲れたカイルだが何とか持ち直す。しかしリアラから更なる言葉がぶつけられた。
「つまり、英雄の子供が英雄というわけではないのね……良い事を知ったわ……」
「お、俺は英雄だってばっ」
「違うわ……初めて会った時からそれは変わらない。……でも」
ふと上げた少女の顔には、微笑がある。
「貴方の言葉は嬉しいと思う……ありがとう」
「……う、うん」
カイルは動揺を見せ、その様子をロニが興味深そうに見ていた。
微笑を浮かべたままリアラは少年に一歩近付き問う。
「その……私と一緒に、来てくれますか?」
「……もちろんだよ! これからよろしく、リアラ!」
差し出されたカイルの手を、リアラはおずおずと握る。
フィリアが微笑む穏やかな雰囲気、その中にエミリオは口を挟んだ。
「話が纏まった所悪いが、カイル、ロニ、リアラ、お前達はオベロン社で保護する」
「それって……」
話の内容がよく分からないのかカイルは首を傾げたが、対照的に理解したリアラが反論する。