仲間の存在、それが英雄の力。
不安そうな少女の手をフィリアは優しく取った。
「リアラさん、貴女はきっと大きな何かを背負って此処まできたのでしょう……ですがそれは貴女を押し潰そうとし、苦しめている。だから今の貴女には、それを支えてくれる仲間が必要だと、私は思います……前を向いて歩ける様に、そして自分の力に正面から向き合い、信じられる様に……」
「フィリアさん……でも、私……」
不安な表情、それを驚きに変えたのはカイル。
「じゃあ俺が仲間になるよ! リアラは凄いんだって、そして俺が英雄なんだって教えてみせる!」
「え……で、でも……私、貴方を無視したりして……」
動揺している、カイルの申し出が理解出来ないでいる様だ。だからというわけではないだろうが、カイルは明るい声で言った。
「それは君が急いでいたから仕方ない事だよ。だからこれから、俺が君の傍で英雄だって所を見せるんだ!」
「…………」
何処までも前向きで明るい彼を、リアラは見つめた。視線に気付いたカイルは少し声を抑え続ける。