例えの言葉にロニが盛大に溜息を吐き呆れた。
「お前……それが毎回テストで赤点取ってる奴の言葉かよ」
「お、俺は勉強が苦手だから、その分剣術を磨いてるんだよっ」
「そういうのは開き直りっつーんだよ……ま、お前らしいけどな」
「うん、俺は俺らしくってね」
前向きなカイルはそれをリアラに伝える。
「だからさ、リアラはもっと自分の事信じてみたらいいんじゃないかな。自分の事悪く言ってばかりじゃ、良い事も悪く見えちゃうよ」
「……信じる……自分を……」
何か思う所があるのか、リアラは自分に言い聞かせる様に呟く。
その背中を、フィリアが押した。
「カイルさんの言う通りですわ、リアラさん」
「フィリアさん……」
胸に手を当て司祭は語る。
「昔、私はこの神殿で本ばかり読んでいた世間知らずで……無知な私は、大きな罪を犯してしまいました。その罪に下を向いているばかりだった私に、立ち上がる力をくださったのがスタンさん……」