色んな意味が籠められた小さな溜息を漏らしたエミリオは、フィリアに話をする。
「面倒を掛けてすまんが、ロニの除隊申請しておいてくれないか」
「分かりましたわ、お任せください」
「す、すいませんフィリアさん……」
深々と頭を下げるロニ、それをフィリアは笑顔で受け取った。
場が和やかになりつつある中、感情の行き所を無くした様子のユダは壁に背を預ける。そこへ他の者達が戻って来るという追い討ちが掛けられた。
「総帥、何か此処の騎士長が事件の話聞きたいって」
「……分かった……悪いが少し待たせておいてくれ」
「分っかりましたー」
再びジョブスは部屋を去った。
直後、カイルはリアラの表情が曇っている事に気付き不思議そうに声を掛ける。
「どうしたの?」
「えっ……、その……」
クセなのかペンダントを握り締め、俯く少女は静かに答えた。
「私に、もっと力があったら……誰も傷つかずに済んだのにと……思って……」