そこでは予想通り負傷者の手当てが続けられており、その中に彼の姿はあった。
「お、居た居た、君君ー」
ジョブスが声を掛けるとユダはすぐに自分だと気付いたのか、男性の包帯を巻き終わってから顔を上げる。その顔は少し不機嫌に見えたがジョブスは構わず明るく話し掛けた。
「ウチの上司が呼んでるんだけど……来てきれないかな?」
「……どうして」
あまりが気が進まないのか彼の眼は気だるい。しかしジョブスも退くわけにはいかない。
「訊きたい事があるってさ。……ていうか、ね、ほら、来た方が君の為になるんじゃないかなーってさ、ウチの上司優しいから」
「…………」
返ってきたのは溜息だが頷いた、ジョブスの言葉の“意味”を理解したのだろう。ジョブスが部屋に戻る為に歩くと、その少し後ろを着いて行った。
「しかしビックリだよなー、まさかこんな所で再会するなんて」
「え?」
「あれ、覚えてない? ダリルシェイドで俺、君に声掛けたじゃん?」