思い出せて胸の支えの1つが取れたのかジョブスの顔は晴れやか。しかしエミリオには更に疑問が募る。
「じゃあ彼は、ダリルシェイドから真っ直ぐ此処に来たという事か……何の為に……」
アイグレッテを目指していたのならば何の疑問にもならない。だが彼は大神殿に侵入している、恐らく目的地は最初から大神殿だったのだろう。
見えない答えに、ロニが心当たりを口にする。
「そういえばアイツ、アタモニ神団について調べてるって言ってました。もしかしたらその為に……」
「神団について……」
一度エミリオはフィリアと眼を合わせる。互いに現神団について調べている身、気にならないわけがない。
するとジョブスが案を出す。
「じゃあ本人に訊いちゃいましょうよ、礼拝堂に居るだろうから呼んできますよ」
「……そうだな……頼む」
「アイサー」
軽い調子でジョブスは部屋を出た。そして真っ直ぐその足で礼拝堂に向かう。