「……お願い……!」
自分の手を握り締め、リアラまるで祈る様にして眼を閉じる。すると次第に光が彼女の前に収縮していき、エミリオの胸へと消えた。
「コレは……」
小さくフィリアが呟く。
直後、エミリオの胸が大きく上下した。
「くっ、う……」
「総帥!」
ジョブスが呼ぶと今度こそ彼は眼を開けた。すぐにユダが確認し、一瞬だけ表情が緩むが誰もそれを見る事は無い。
「骨折が無い……恐らく、肺も大丈夫だ」
まさかと皆が考える前でエミリオは身体を起こし、胸を押さえ周りを見渡した。その際ユダが立ち上がりそこから離れ、負傷した僧兵の容態の確認を始めた。
「……何が……」
エミリオ自身骨折には気付いていたらしく、驚愕の表情を見せる。
しかしすぐに心当たりに気づき、ペンダントを握り締める少女を見た。
「リアラ……お前か……?」
「……は……はい……」
「……そうか」