「侵攻というのは間違っていない、だが僕達が敵とするのは天上王ミクトランだけだ。空へ上がり奴を討ち、この外郭を消し去る」
「馬鹿な……人間が天上に敵うわけがない、無駄な足掻きだ」
諦めと嘲笑、それに対しスタンが反論しようとする前にリオンが吐き捨てる。
「自分から何かをするわけでもない底辺で生きているお前達が、僕達を笑う資格はあるのか?」
「なっ……お、お前達が、我々から何もかも奪っていったのだろうが! そのくせ助けるなどと偽善の戯言を……!」
「何時の時代の話だそれは!」
苛立ちを孕んだ言葉は、目の前のカルバレイス人達にぶつけられた。
「言い訳を並べる口だけは達者だな。 謝罪をしてほしいのか? それとも同情してほしいのか? してほしいなら幾らでもしてやる、だから僕達の邪魔をするな」
「我等を愚弄するか……!」
「僕にとってお前達は愚弄する価値も無い。それに偽善と言ったがそれはバルックという男の事だな?」
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bkm
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