13

 マスクを着けると刺さる様な匂いは緩和され、身体が落ち着いた様に感じた。

 その直後、風が起きる音がし見上げれば始祖竜が空へ飛んでいた。


「あとはトラッシュマウンテンに向かうだげだな……囲まれる前に行くぞ!」


 彼等を狙うモンスター達の気配が空から来ており、リオンの指示で皆は再び走る。

 距離を詰めてくるモンスターを薙ぎ払い、倒し進むと、匂いが強くなるのを感じた。防毒マスクをしていても感じるそれは如何に強力なモノかは分かる。

 そして匂いが強くなるのに比例して、歪な山は少しずつ彼等の視界に姿を見せる。それが目的地である事は、明らかに人工物である物体が砂の中から多数顔を出している事で断言出来る。


「あ……あれ、人間じゃないか?」


 眼が良いスタンが指差す、何らかの光源による明かりとそれに浮かぶ人の形。それは1人や2人ではない、10人前後居るだろうか。


「あの人達、何やってるんだ……?」

「恐らく現地民だろうが……厄介だな」


 見えた彼等の眼には、少なからず敵意がある。


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bkm

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