「確かに、飛行竜とあまり変わらないな」
《飛ぶか泳ぐかの違いだからな、構造的には大体同じだ》
「へー……昔の人は凄かったんだなー」
ラディスロウに向かう海竜の中でスタンは感慨深そうに頷き、首を傾げる。
「んー……」
「どうしたのよ、スタン」
何やら悩み始めたスタンに、ルーティが声を掛けた。
青年は考えたまま、その悩みを話す。
「いやさ、空と海なら、陸を走る竜が居てもいいんじゃないかなーって」
「……アンタ……」
もう言葉も出ないルーティは、目一杯息を吸い、一気に溜息をつく。
その反応をスタンは疑問に思う。
「何だよ、俺変な事言ったか?」
「アンタねェ……陸だったら山とかあるし、竜じゃ大きくて逆に不便でしょうが。馬車とかで充分よ」
「あ、そっか」
ディムロスの深い溜息を、マスター達は聞いた。
「スタンは想像力が豊かなんだな」
「そ、そうですね」
マリーの言葉を、フィリアは苦笑しながら肯定する。
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