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 溜息を吐きながら回復に専念するルーティを狙い素早くモンスターが頭上を取るが、傍に居たスタンが迎撃する。彼の反応の速さも以前より速いと、闇槍で接近して来た大きなモンスターを貫いたリオンは思う。

 戦力が明らかにましたソーディアンマスターに加え腕に覚えがある軍人が居て繰り広げられる戦闘は、善戦という状況が変わらないまま砂が晴れ終わりを迎えた。だが視界確保できただけでモンスターは未だ現れており、埒が明かないと判断したリオンは叫ぶ。


「走るぞ! 砂に足を取られるなよ!」


 始祖竜の近くに外に出ている部隊の一部が残り、その他の者達はトラッシュマウンテンを目指し駆け出す。モンスターは本能なのか、走る者達を追った。

 しかし身体能力が上がっているとはいえ足下は砂、やはり時折足を取られそうになるが、バラバラにならない様に元々スピードは抑えてある為大した障害にはならないだろう。


「リオンさんっ、少し派手にいきますねっ」

「は……?」


 疑問の声は上がるが、身体は自然とフィリアから距離を取った。それは他の者も同じで、皆が範囲外に逃れた直後で彼女はソーディアンを奮う。


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bkm

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