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 フィリアを除くソーディアンマスター達は納得する、やはりそうかもしれないと。

 少々調子がおかしい彼女に仲間達は戦々恐々としながら戦闘は進み、時間が経つのと共に視界の砂は薄くなっていく。だが彼等が集中するのはそれにではなく、自分達が得た力だった。


「シャル!」

《任せてください!》


 シャルティエからの干渉が更に強くなった直後、開けてきた視界の中でリオンは力の加減が難しい砂を蹴り高く跳び、突進してくる怪鳥の翼を斬り落とす。

 身体が軽く、感覚が鋭くなった様に彼は感じていた。コレが強化の結果なのかと身に刻み、同時にコレならばと未だ先にある未来を考える。


「……! ウッドロウ!!」

「任せろ!」


 暗い空に浮かぶ、始祖竜の明かりに反射した多数の眼。弓構えたウッドロウが放った矢は一発たりとも外れる事無くモンスターを射ち抜いた。


「おー、すっげー」

「感心してないで働きなさいよね」


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bkm

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