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 何も返せないリオンは黙り、対してドライデンは笑いマスター達に告げる。


「ベルセリウムが無ければどうにもならんが、それ以前に無事着陸出来なければ話にならん。此処はパイロットの腕を信じるしかないだろうな」

「海上着陸の訓練はしていても、砂漠での着陸は未経験ですよね」

「砂上と砂漠では勝手が違うだろうからな……パイロットには特別報酬を考えなければな」


 再び兵士を呼んだドライデン、その傍でリオンは考え込む。


「何となくだが、研究所に行く時より壁が大きい気がする」

《肝心なベルセリウムがあるか分かりませんからねェ……》

「でも探すしかないよな、飛行竜飛ばすには」


 全く間違った事を言っていないスタンにリオンは軽く頷き、今更だが前途多難な現状にやはり溜息が漏れた。


「情報が全く無いというのは……上手く事が運べばいいが……」

《その為には皆で頑張るしかないですよね……》


 無駄にしない為にも。


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bkm

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