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「フィリア君、大丈夫かい?」

「あ、はい……その、大丈夫です。ガスについて考えていたら、昔実験で失敗した時を思い出しますて……暫く料理の味がよく分からなかった事が……」

「そ、そいつはなかなかの修羅場ね……。まあそれは置いといて……大丈夫? 行ける?」


 ルーティの心配にフィリアは大きく頷いた。


「大丈夫ですっ、ガスなんかに負けたりしませんからっ」

「うん……うん……?」


 何だか嫌な予感がしたルーティだが、やる気に溢れた彼女を置いていく方が心苦しい気がし何も言わずにこの話を終わらせる。

 本題はトラッシュマウンテンまでの交通手段に入った。


「まあ始祖竜だよね、船乗って砂漠越えるより空路の方が絶対早いし。それ以前空覆われて風がかなり弱くなってるから船の足がかなり遅くなってるし」

「カルバレイスの人驚いたりしないですかね?」

「あー……じゃあ着陸場所には気を配らないとだね。でも砂漠だし人里じゃなければ……いや……砂漠だから不味いのか……」


 スタンの意見にしまったと言わんばかりの顔でレイノルズは呟く。


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bkm

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