リオンが少し安心した所でシャルティエが“戻って”きた。
《坊っちゃん、カルバレイスって他国の手があまり加えられていないんですよね》
「ああ……アタモニ神団が駐留しているくらいか? 環境は言わずもながら、わざわざ航路にするメリットも無いし、現地民がアレだしな……」
《んー……実はあそこに天上人を押し込めた理由は環境だけではなく、戦争が終わるまであの地は天上側で不要になった物を捨てる言わばゴミ捨て場だったからなんですよ》
「己の愚かさを眼に焼き付けさせるというわけか」
戦争は本当に何も生まないと再認識したリオンに、シャルティエは話を続ける。
《ええ、それにゴミとは言えど上手く使えば最低限の暮らしは出来るだろうという意味合いもあって……まあぶっちゃけ生き殺しに近いですよね》
「処刑しなかったのは、それだけの怨みがあったという事だな」
《ですねェ……天上都市と神の眼をどうするかで忙しくて処刑やってる場合じゃなかったですし》
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bkm
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