問いに対しレイノルズは机に置いていた小さなガラスケースを差し出した。中には濃青色の金属が収められている。
「これはベルセリウムと言ってね、有機物と無機物の両方の性質を合わせ持つ生体金属と呼ばれる物なんだ。確か前に司令の話に出てきた事があったかな」
「ああ、ミクトランが他物質との結合に成功し飛行竜を作り上げたと」
「うん、ならどのくらい重要な物かは大体分かってると思う」
ベルセリウムの活用方法が見出だされたからこそ飛行竜は存在する。その逆を考えればどれだけ重要なのかは子供にも分かるだろう。
レイノルズは困った顔をしながら説明した。
「ベルセリウムは飛行竜の筋肉みたいなの役割をしているんだ。動物は筋肉が無きゃ立つ事が出来ないから、飛行竜はベルセリウムが無きゃ飛べない。
で、その肝心なベルセリウムはかなり貴重な物で滅多に見つからない。今までベルセリウムが大量に必要になるほど損傷した事が無かった事もあって、国内にあるのじゃ全然足りないんだ」
prev next
bkm
[back]